青の住まい
青空が広がる夏の街中を歩く二人の男女がいた 一人は泥団子を作る術式、また一人は指パッチンにより斬撃を撃ち出す術式を持つ呪術高専の生徒であった。
「あ“〜…こうも暑いと泥団子が溶けてまうな…」
彼の術式で作った泥団子も所詮は泥の塊であり、溶けることもある。 彼がそのことを嘆いていると、隣を歩く指パッチンの少女がくすりと笑う。
「そんなもの、溶ける前に投げてしまえばいよいのですわ!」
彼女のドヤ顔に泥団子の少年は思わず笑ってしまう。
「ははは…ちょっ…!脳筋か…!!」
「なっ、私が脳筋ですって!?」
そんな何気ない日常の風景に側で見ていた猫はあくびをする。
「んにゃ〜〜ぐるるる(こんな平和な日常が続けばいいのになぁ…)」
すると、二人と一匹の上から声に孕んだ僅かな狂気を押し殺すかのような快活な笑い声と共に、一人の男が落ちてくる。
「ヘッヒェア!あはっ!あはは!よ、君達!呪詛師で作った空飛ぶ車、乗ってみたくないか?」
「「え?」」
二人は声を揃え、耳を疑う。
男がこともなげに言うので余計に困惑させられていた。
「にゃご…(全然平和じゃなかったわ…)」